あをによし

 『鹿男あをによし』の原作を読んでいたら、家族や修学旅行で行った場所がバンバン出てきて、「懐かしいなぁ」と思っているんですが、そこへ244さんの音楽をヘビロテしているものだから、ぼんやり「奈良へ行きたいなぁ」と思っています(単純)。さらに今日TOKYO MXでやっていた剛さんが奈良へ帰る番組を見たら加速しちゃったよ。東大寺には2年前に行ったんだけど、法隆寺*1とか室生寺行きたいなぁ。
 あをによし奈良の都は咲く花のにほふがごとく今盛りなり。あをによしというのは奈良にかかる枕詞ですが、この歌くらいしか聞き覚えがありません・・・。日本文学科だったけど、専攻は文学じゃないので(笑)。途中まで教職課程を取っていたので、文学史は全時代受けたから、万葉集もちょっとやったし、日本語学の授業で万葉仮名も勉強しましたが・・・もう全部忘れた(笑)。
 その番組内で、剛さんが雅楽の演奏を聴いていました。ファンクをやっているけど、剛さんには雅楽が似合いますね。その後で吹いていた方1人とちょっとおしゃべりしていたんですが、その方の持っている楽器に目を奪われました。オーボエに似てる・・・! 辛うじて笙はわかるけど、この楽器の名前はわからんと調べたら、篳篥*2という楽器でした。物と一致しなかったけど、聞いたことはあるような・・・。内心自分が吹いているからそう見えたのかしらと思っていたのですが、ウィキペディアの説明にも「西洋楽器のオーボエに近い構造」って書いてありました。確かに説明を読む限りでは同じでないものの、仲間の香りがします。雅楽ってそんなに興味なかったけど、俄然興味が湧きました。篳篥が人の声を表すっていうのも興味をそそります。
 室生犀星がふるさとは遠きにありて思うものだといいましたが、故郷を歩く剛さんはいい顔してました。寂しそうとは思わなかった。表現するなら無邪気な感じ? 少年がそのまま育ったような、無邪気な印象を受けました。でもそれが28歳という年齢とアンバランスなわけでもなく、大人社会にもまれて痛々しいわけでもなく、穏やかに見えた。この人のどこからあれだけの声が出るのかなーってくらいに。私は生まれてこの方地元を出たことがないし、できることなら一生この街に住んでいたいと思うのでわからないけど、何かをしようと思って地元を離れた人にとって、故郷は母なる地なんだろうなーと思いました。許して受け入れてくれる場所。だからこそ度々は帰れない場所。室生犀星がいうこともわかる気がしました。

*1:東武ワールドスクエアでは見ましたけれども

*2:ひちりき