東京タワー

東京タワー

東京タワー

 以前「東京タワー」が映画化されるらしいとミチロリンから聞いていましたが、本当だったんですね。芸能記事の見出しを見た途端「松本くんが透なんて似合わない〜」と思ったら、透は岡田くんで、松本くんは耕二なんですね。「嵐の松本潤が・・・」という書き方からして松本くんが主演かと思ったよ(笑)。あぁびっくりした。江國さんの小説はだいたい出ると同時に読んでいるので、この作品も2年ほど前に読みました。表紙と「恋はするものじゃなく、おちるものだ」という帯が気に入ってます。読んだとき、タイトルや流れは静かだけど、すごく動物っぽいと感じました。
 私は恋愛小説でも理屈っぽいものが好きで、登場人物に恋愛感情以外の奥があまり見えてこないものは物足りなく感じてしまうから、「東京タワー」は江國作品の中でも大好きの部類に入らないんだけど、最近の江國さんらしい作品だなとは思います。
 記事には耕二を「プレイボーイ」と書いてあったけれど、その表現には何となく違和感を覚えました。確かに耕二は彼女がいながら人妻と関係を持っているけれど、どちらも相手を求める気持ちはピュアでフェアだと思います。彼女の可愛い部分をきちんと見抜いて愛でているし、喜美子とは体だけの関係ですが喜美子だからいいわけで。自分勝手でわがままで貪欲だとは思うんですが、自分に真っ直ぐだし計算がないと思うんですよね。むしろ一途であるはずの透の方がピュアでもフェアでもないと思う(笑)。
 不倫も二股も肯定はしませんが、どんな状況であれ、人に惹かれる気持ちはピュアだと私は思ってます。人間は動物だけど理性があり、理性があるけど動物なんだという事実も含め。江國さんがこの作品で言いたかったことを真に知る由はありませんが、そんなことじゃないかな〜と思います。とりあえず話題性だけが一人歩きせず、いい作品となるといいな。松本くん、期待してますよ〜。